side K-2

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コンコン、とノックの音と同時に聞こえた、廊下からの三浦さんの声。 南条さんは身動き一つしなかったけれども、私は魂が抜けてしまったんじゃなかろうかというほど肩を上げてビクッとした。 まったく動じていない南条さんは半歩だけ下がり、 「はい、どうぞ」 と廊下へと声を投じる。 え……、それでも近いし、それに……。 口をパクパクさせていると、申し訳なさそうにドアを開ける三浦さんの姿。 そして案の定、私達ふたりの距離の近さと、繋がれたままの手を見て固まった。 まるで、本当に取り込んでるじゃないですか、と目で訴えているかのようだ。
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