side K-2

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羽島課長は、作り笑顔すら危うい私を見て一瞬言葉を詰まらせたけれど、 「大丈夫です。ですので、ささ、なんなりと」 と引かない私に、 「あー……、じゃあ、これにメモしてあるファイルを探して資料室から運んできてくれる? けっこう多いし、もうすぐ上がる時間だから、今日中じゃなくてもいいんだけど」 と、お仕事をくださった。 「はい、かしこまりました」 「あの、羽島さ……課長!」 そこで間に入ってきたのは三浦さん。 「なに?」 「私も行きます、資料室。えー……と、ちょっと、今日の小宮さん、心配なので」 「あー……うん、多いし、じゃあふたりでやって」 三浦さんと羽島課長の小声のやり取りは、しっかりと私の耳に届いていた。 けれども、私は遠慮して断ることをしなかった。
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