side K-2

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さぁ、笑顔で『気を付けて行ってきてくださいね』と言って、フロアへ戻って帰り支度を……。 「……」 一瞬で視界が南条さんの顔でいっぱいになったかと思ったら、すでに彼の唇が私の唇に押し当てられていた。 驚いて瞬き祭りを開催していると、三浦さんがドア開けっ放しで去って行った資料室の入口が目に入り、その現状把握と同時に南条さんが口づけを一層深めてくる。 「……ん」 背後の棚の資料ファイルに頭がうずまるんじゃないかというくらい重くて息継ぎもままならないキス。 生理的な涙が滲んで目を瞑らずにはいられなくなる。 ぎゅっと結んだ両こぶしに力が入るのに反し、体の芯を抜かれたかのように腰には力が入らなくなり、そのままこの場にへたり込みそうになった。
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