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私は間抜けな顔をさらして眉を上げ、「ん?」と言った。
確かにそうだ。
いろんな情報と出来事に追いやられて、そのことは心の隅でぺしゃんこになっていた。
「それじゃあ、誰ですか? “彼女”って」
「え?」
その時、資料室のドアが開いた。
私と三浦さんふたりともそちらへ注目すると、
「失礼します」
と、端正な顔の端正な唇が一言、静かな資料室に低い声を響かせた。
「…………っ!!」
はうあっ!
帰ってこられた、南条公が!
私は驚きと動揺で咄嗟に三浦さんの後ろへ後ずさり、背後の資料棚に背中をぶつけ、両手をびたんと忍者みたいに這わせた。
ど、ど、ど、ど、どう、どうし、どうしよう。
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