side K-2

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「今朝頼んでいた書類、ありがとうございました。デスクに置いてあったので、さっそく確認させていただきました」 「はいっ」 「……で、これが紛れていたのですが、捨ててもいいですか?」 南条さんが手に持っていたオレンジ色っぽいものを見せる。 ちょうど入口付近にゴミ箱があって、南条さんはそこにそれを入れようとした。 「えっ? あっ、それはダメです! あのっ、捨てないでくださいっ」 なにかわかった私は、慌てて南条さんに走り寄り、そのパッケージを死守する。 ……それは、仕事始めの日に南条さんにもらったカロリーメイトの空き箱をぺたんこにしたものだった。 「きっ、記念に…………いえ、あ、集めてるんです、私、これ。アハ。アハハハ」
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