side K

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「……なぜ?」 後部座席の窓からの光が南条さんを照らしては過ぎ去り、端正な顔がスローモーションでフラッシュを浴びているみたいだ。 少し怒っているようにも見えて、私のノミの心臓は縮み上がる。 「南条さんは、私にとって……本当に雲の上の存在だったんです。だから、あの……、私が勝手に都合よく解釈してしまっただけだったのかなって……思って……。それに、それに……」 「それに?」 「………………出張中、連絡とか……全然……ないし」 「…………」 あ。 ……固まった……南条さん。 ウザい女だと思われたくない私は、それでも必死に言い訳を続ける。
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