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間髪入れない思わぬ切り返しに、ぎゃふん、と口に出すのを辛うじて飲みこんだ。
頭の中はてんてこまいだ。
「声を聞くと会いたくなるという自分の都合だけで、小宮さんの気持ちにまで考えが及ばずにすみませんでした」
「そ、あ、会い、あ」
「会いたかった。すごく」
「……」
ごくり、と生唾を飲んだ音、聞こえてしまっただろうか。
あまりにもまっすぐこちらを見て破壊力抜群の呪文を唱えられたものだから、このタクシーは虹色の馬車に、私はたちまちプリンセスに変えられてしまった。
いえ、すみません、言葉のあやです。身の程わきまえております。
でも王子オーラたるやハンパなくて、なおも金粉をまき散らしている南条さんにそう言われ、舞い上がらずにいられようか。いや、いられない。
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