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「ていうか、言いませんよ、小宮さんと南条さんに確認もせずに」
やれやれと呆れ顔の三浦さんは、それでもなんだか優しくそう言って、おにぎりをひと口。
「ただ、KKハウジングから帰ってきた南条さん、結構急いでいる感じで小宮さんの居場所を聞いてきた、とは言ってましたけどね。でも、羽島さんはさほど深く考えていなさそうだったし、気付いていないかと」
「えー……、そう、……そうなんだー……」
“結構急いでいる感じで ”
あぁ、もう……。
資料室での少し乱れた前髪の南条さんを思い出し、悶絶してしまいそうだ。
「それより小宮さん。お昼ご飯それだけですか?」
ゼロカロリーのマスカットゼリーをゆっくりゆっくり食べている私を見て、三浦さんは怪訝な表情をする。
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