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「ていうか……最近、元気ないですよ? 大丈夫ですか?」
「気のせい気のせい。大丈夫だよ」
三浦さんにそう返しながらも、心の中は土砂降り。
今の私は、舞い上がっていた反動か、地中深くめり込んでしまっていた。
「あ……そうだ。三浦さん、誰にも言ってないよね? その……南条さんとのこと」
「言ってませんよ」
「よかった。南条さんとも約束してるし……お願いね」
ウソ。
そんなこと話していない。
それ以前に…………あの出張前日以来、一言も話せていない。
なぜなら、連絡がこないから。
わぁ、とてもシンプル。
「…………」
心の中の雨音がいっそう酷く、重たくなる。
恋人同士ってどんな頻度で連絡するのだろうか。
南条さんは声を聞きたいとか思わないタイプ?
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