side K

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そもそも、これってつきあっているの?  明確な交際宣言とかなかったし、……あれ? 私、ひとりで突っ走っちゃった系?  正室じゃなくて側室でした、ってオチ? 連日もう何度通ったか知れない同じ思考回路を、電車のように通常運転で通過中。 妄想力の豊かさは、良くも悪くもその威力を十分に発揮してくれていた。 よかった。三浦さん以外に口外してなくて。 本当に勘違いだったら、目も当てられないから。 「……小宮さん?」 私が考え込んでいた間にお弁当を食べ終えたらしい三浦さんが、弁当箱の蓋を閉じながらこちらを見る。 「なにがあったのかは聞きませんけど、もし南条さんとのことで悩んでるんだったら、言わなきゃわからない、っていうのはこの上なくお互い様ですよ。まぁ、自分の経験上なんですけど」
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