side K-2

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……………………あれ? 私……。 「えぇ…………と、“好きな人がいるので”?」 落ちたコートに目が釘付けになりながらもそう答えるが、もはやそれどころじゃない。 コ、コ、コ……コー…………ト……。 「昨夜の電話で堤課長に伝えました。小宮さんは恋人だと」 「………………」 み、見ら、見られた。 忘れてた、変態丸出しだったこと。 「ですので、社内中に広まるのに、時間は要さないかと思います」 「あ…………う……」 淡々と話し続ける南条さんの目の前で、私の頬はもはや大火事になっていた。 なにをどこからどうやって処理して考えればいいのか、もう判断がつかない。 「だから、次からはちゃんと言ってください」 「…………」 「恋人がいると」
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