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遮光カーテンで外界からの灯りをシャットアウトした部屋は、照明を落とすと本当に真っ暗だった。
時間の流れがとてもゆっくりに感じられる中、静かすぎる部屋に浮かぶ私と南条さんの小さな息遣い。
その鮮明さに照れを隠すよう顔の前で腕を交差すれば、そっとそれをどけられて、暗闇の中で目と目が合った。
この国宝級のアングルと輪郭の陰影。
夢見心地とリアル心地が交互に私を襲って、気持ちよさと恥ずかしさの狭間でおたおたする。
ただでさえ10年ぶり。
そのブランクは体も心もお粗末に変えてしまったし、大人の余裕なんて持てやしないし、培ってきた脳内疑似恋愛能力など、実地の前では耳にかかる吐息ひとつで吹き飛ばされておしまいだった。
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