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何かにしがみつかずにはいられずに手を伸ばすと、それに気付いた南条さんはその指を静かに包んだ。
そしてゆっくり視線を伏せたかと思うと、その指に小さく頬擦りをし、そのまま舌を這わせる。
微かに声を上げてしまうと、それに気付いた南条さんがふわりと微笑み、また唇に優しいキスを落とした。
あー……。ヤバい。
ヤバいな、これ。
愛されている実感がゾロゾロと五感を伝って胸に集中してきて、こみ上げてくるものになんだか泣きたくなる。
自分がどうして手フェチなのかがわかった。
私はずっと触れて欲しかったんだ。
その手で撫でて、包んでほしかったんだ。
私を好きになってくれる誰かに。
私が好きになるのを許してくれる誰かに。
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