side K-2

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何かにしがみつかずにはいられずに手を伸ばすと、それに気付いた南条さんはその指を静かに包んだ。 そしてゆっくり視線を伏せたかと思うと、その指に小さく頬擦りをし、そのまま舌を這わせる。 微かに声を上げてしまうと、それに気付いた南条さんがふわりと微笑み、また唇に優しいキスを落とした。 あー……。ヤバい。 ヤバいな、これ。 愛されている実感がゾロゾロと五感を伝って胸に集中してきて、こみ上げてくるものになんだか泣きたくなる。 自分がどうして手フェチなのかがわかった。 私はずっと触れて欲しかったんだ。 その手で撫でて、包んでほしかったんだ。 私を好きになってくれる誰かに。 私が好きになるのを許してくれる誰かに。
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