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澄んだ冬の朝の気配に目が覚めると、そこは私の記憶が確かならば南条さんの御部屋だった。
薄目を開けると最初に目に入ったのは御本棚で、そこにはなんとか文学のなんたら全集やら実用書やらインテリア関係の雑誌がキレイに並んでいる。
その横の御棚には御時計があり、AM8:10を御示ししていた。
……のはいいとして。
南条さんはどこだと考えを巡らせる必要もなく、横向きに寝ている私の背面から伸びた手が私の指で遊んでいるのを、さっきよりも一層細めた目で見つめる。
「……」
寝ぼけた頭で考えるに、体勢的におそらく、私の背後でこちら向きに横たわっている南条さんは、上げた頭を腕で支え、もう片方の手で私を囲むようにして手遊びしているのだろう。
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