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「妹が失礼しました」
「いえ」
南条さんに荷物を持ってもらってまたタクシーへ戻り、発進するや否や平謝りする。
あーちゃんはあの後「なんで?」を数十回連発し、ようやく事を理解すると、南条さんが本物かどうかを確認するために近くまで行き、まじまじと上から下まで見たり、ペタペタ触ったりした。
バーチャルだとでも思ったのだろうか。
我が妹ながら、パジャマ姿で無礼を働くあーちゃんには肝を冷やされた。
私がマッハで支度をしている間にも玄関の南条さんから離れず、なにやらボソボソと会話をしていた。
途中、「姉になにか脅されてるんですか?」とか、「食あたりになるかもしれないですよ」とか、聞き捨てならないような声がちらほらと聞こえたけれど、律儀に「大丈夫です」と答えている南条さんの声が聞こえて、萌え転がりそうになりながらも急いで準備を終わらせたのだった。
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