side K-2

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「…………」 って、それより南条さん、そんなことあーちゃんに聞いてたんだ。 しかも、練習って……。練習って…………。 腹立たしいのと嬉しいのと萌え悶えるの3連鎖に耐えながら、私は、 「あの……、できれば、名前をそのままで呼んでもらったほうが、嬉しいというかなんというか」 と、もごもごと訴える。 「……しずかちゃん?」 「……」 これ……“サネちゃま”と返せと暗に言われているのか……? 「えー……っと、“ちゃん”はちょっと……」 「静佳」 「!」 ぐ。 急に突かれた、急所。 「さん」 「……」 ……うん。 「…………はい」 「おはようございます」 「…………おはようございます」 斜め上から降り注ぐ南条光がまぶしい。 あー……、どうしよう。 やっぱり王子だ。 後ろへ向けた首、つりそう……。        
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