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「がっかり? どの状況で?」
正面の南条さんが真顔で聞いてくる。
これ、上級者の辱め攻撃なのだろうか?
どっちだ? どっち?
「がっかりなどしません。むしろ、今後知り合っていくにつれてがっかりされるのは小宮さんのほうだと思いますが」
まったく想定外のことを言われて、私はきょとんと南条さんを見る。
「小宮さんの思っているような人間ではなくて、幻滅することも多々あるかと思います」
「なにを言うんですか! それこそ“萌え”です!」
「……」
…………あ。
思わず立ち上がってしまっていた。
ダイニングテーブルが沈黙に包まれ、私は大きく開けた口をゆっくり閉じながらそおっと座り直す。
「ハハッ」
南条さんが声を上げて笑った。
そしてその後で、「そうですね」と言った。
私は、食事が終わるまで俯いたまま赤面していた。
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