side K-2

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「…………」 この、さらっとノロケと嫌味を織り交ぜてくる技。 健在でなによりだわ。 私が南条さんと交際を始めたって聞いたら、どんな顔するんだろう、梅原ちゃん。 きっと、妄想もここまできたら病気ですよ、とかなんとか言いそう。 私はソファーの背もたれに思いきり背中をうずめて顎を上げ、天井を見上げる 「…………」 …………ん?  いや、この期に及んで夢オチってことないよね?  「………………」 いやいや、ないない。 ない……はず。 …………。 「実感って……いつになったらできるんだろ……」 「小宮さん」 「……っ!!」 突然眼前に王子の御美顔が表れて、逆さから覗き込まれてシャンプーしてもらっているようなその体勢のままで硬直する。
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