side K-2

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……いい匂い。 温かい気持ちにもなれば、泣きたいような気持ちにもなる、南条さんの匂い。 「……」 ……はい、変態の自覚はあります。 「…………」 そしてまだ、シャワーの音も聞こえます。 しばし顔をうずめたままで固まっていた私は、パッと顔を離し、すぐさまそのコートを頭から被り、袖の部分を前で緩く結んだ。 「ふふ。ふふふふ」 これ、後ろから抱き締められているみたいだ。 体育座りをした私は、ほくほくした気持ちでそのコートの中で笑みを浮かべる。 ふと、ソファー横に置いていたバッグを見ると、そこから顔を出すスマホの通知ランプに気付いた。 ん? と思って取って見ると、それはあーちゃんからのメール通知だった。 「“定期詳細報告求む”……」 私はそれを見なかったことにして、メール画面を終了させる。
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