side N

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今日は内勤で事務的なことは自身でしているため、小宮さんには俺担当の急ぎの仕事は頼んではいないが、それにしても俺の目の前の彼女のデスクは、その主を一定時間留めやしない。 「どうぞ」 しばらく書類作成に徹していると、デスクの端にお茶が置かれた。 裸の健康的な爪から顔へと辿ると、小宮さんだった。 小さく会釈した盆を持つ彼女は、すぐに隣の席に湯呑みを置くべく離れる。 「どうも」 遅れた礼は彼女の耳には届かなかっただろう。 既に彼女は古賀さんと談笑していた。 「……」 小宮さんは、受け応えも指示した内容の出来も見事だし、電話の取り次ぎも伝え漏れなく丁寧で、接客態度も素晴らしい。 営業補佐という名のとおり、補ってサポートしてくれる点でいけば申し分ない。
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