side K

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初めて個人的に誘われたこと。 いや、古賀さんも一緒だけれど、だとしても、あの南条さんが、…………この、南条さんが……。 そう思いながら再度正面の彼に視線を戻して盗み見る。 ちょうど電話中で肩と耳に受話器を挟みながら束になった書類をめくっている姿で、私の脳内は瞬時に沸騰した。 「…………ぐ」 ……素敵だ。 吐血しそうなほどに。 これが実は電話の相手が時峰さんで、表情には出さないけど口説かれてる最中だったり、それどころか既に同棲中で、今夜どっちがメシ作る? 的な話をしてたり……。 イケメン同士のイケメン同士によるイケメ…………。 「小宮さん」 「ふぁいっ!」 BLの森で妄想と戯れていた私は、いつの間にか電話を終えていた南条さんの声に過剰反応する。
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