side K

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店…………って、あ……。 例の、例の……お誘いの、あの……。 気付くと、うちの課のデスクの島には私と南条さんだけだった。 みんなたまたま席を外していた。 「えっと……、私は、いつでも……暇なので、……はい。いつでも、……はい」 じわじわと顔に熱が集中して、最後は視線を合わせられなくなった。 おい、30過ぎて何はにかんでんだ私、中学生じゃあるまいし。 こんな、業務中に突然プライベートな話をしたからって、小声の南条さんの声がなんだか秘密めいていてレアだからって、今このエリアでだけふたりきりだからって……。 「わかりました。では、古賀さんにも聞いてこちらで決めて、また確認します」 「お……お願いします」
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