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「あ、そーら。ねぇねぇ古賀っち。聞いた? 南条はんに」
ちらりと、対角線上の南条さんを盗み見しながら、古賀さんに耳打ちする。
……が。
「……」
目が合ってしまった。南条さんと。
思わず呼吸を忘れる。
「あぁ、今度食事するって話?」
「……うん。そう。そう……」
酔いが一瞬冷めたような心地がした。
既に赤い顔を一層赤くして視線を古賀さんに戻す。
あー……。びっくりした。
王子の目には、おそらく酔っ払いの年増女が滑稽にもはしゃいでいるように見えるんだろうな。
情けないし恥ずかしい。
「つーか、珍しっすね。俺初めてなんすけど、南条さんに誘われるの」
「うん。……多分、ほりゃ、古賀っちと私、ふざけてるから個人的に説教したいんらない?」
「うおっ、なんかそんな気もしてきた。こえー」
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