side K

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「アハハ、ウソだって」 「いや、南条さん、あの無表情の下ではいろいろ考えてる。絶対」 そして今度は、私と古賀さん一緒になって南条さんへとおそるおそる視線をやる。 彼は羽島課長と話をしていて、今度は目が合わなかった。 「しかしイケメンだなぁ……。俺、あの人に迫られたら断れないわ」 「はあ? 古賀っちはダメ。課長ならいいけど」 「なんすか、それ。……まぁ、女には困らないっすよね、あの手の人は。あー、うらやましい、美人選び放題で」 「……うん。そりゃあ……そうれしょ。……当たり前れしょ」 南条さんが一番素敵に見える斜め右のアングルを見ながら、私は視界が一気に曇ったような気持ちになった。
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