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食べることよりも話を聞いたりメモしたりすることに専念していた彼女は、一通り仕事の話が終わってから、
「わあ! すみません、お互いほとんど箸つけてないですね。食べましょう!」
と言って手を叩いた。
真面目で、仕事熱心で、サバサバしていて明るい。
そうだ、前回会ったときも彼女はこういう感じだった、と思い出した。
2人ともアルコールが入ったが互いに特別変わることなく、言葉も様態も乱れなかった。
彼女は品良く食事をし、気配りも忘れず、笑顔で話を上手に転がし、かといって出しゃばるわけでもなく、話を広げることが下手な自分相手に1時間近くもたせてくれた。
女性として非の打ちどころがないかのように思える。
けれども自分は、仕事との区切りがついた途端に時間が長く感じられて、やはりこういうのは向いていないのだと再認識させられた。
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