side K

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「あ、おねーちゃん。どこ行ってきたの?」 「美容室」 「え? 全然変わってないんだけど。どうせお金払うんなら、もうちょっとイメチェンすればよかったのに」 家に戻るなり、痛いところをピンポイントで抉ってくる妹。 彼女はソファーに寝そべりながら、私の漫画を読んでいた。 「いいの、別に。ほっといてください」 と言って、コートをハンガーにかける。 感傷に浸る暇もない。 「ていうか、今日彼氏とデートなんじゃなかったの?」 昼前に私よりも先に家を出たあーちゃんに何気なく聞くと、彼女の顔はあからさまに歪む。 まるで般若だ。 「ケンカしたの。アイツ、一昨日のイブの時もだったんだけど、スマホばっかり気にしてて。二股してんの? って言ったら逆ギレしたから、ひっぱたいて帰ってきた」
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