side K

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しばらくすると、三浦さんも羽島課長もお酒を頼みにカウンターのほうへ向かった。 古賀さんと南条さんと3人になったテーブル。 私は急に落ち着かなくなって、古賀さんに目配せしては話題を出せと訴える。 「あー……っと、そういえば南条さん、白菜好きですか?」 「……っ!」 古賀さんの言葉に、瞬時に立ち上がる私。 「トッ、トイレ行ってきます!」 と敬礼して、彼らふたりを振り向きもせずに席を離れた。 急に何を言い出すんだ、古賀っ。 話題がないからって、なんでよりによって白菜なんだ。 一気に酔いが醒めてしまった。肝も冷えてしまった。 別に尿意はもよおしていないけれど、傍から見たらこの早歩きは漏れる寸前に見えるだろう。
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