side K

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席に戻ると、すでに課長と三浦さんも戻ってきていた。 さっきのあんな場面なんて想像もつかないような他人行儀。 ……すごすぎる。 大人だ、大人。 精神年齢と実年齢が私と逆転しているわ。 「小宮さん、どちらにいたんですか?」 席に着くや否や三浦さんに聞かれ、 「え? あ、ちょっとね。外の風にあたりながら、ケータイでやりかけの乙女ゲーを、ハハハ、ハハ」 と、私もなにもなかったかのように装った。 意図せず口を尖らせてしまったけれど。 「ゲームしましょう! 俺の質問にみんな一斉に答えて、一番遅く言った人が負け。で、負けが一番多かった人に、この酒を飲んでもらうっていう」 ようやく動揺が落ち着いてきたと思ったら、今度は古賀さんがパンッと手を叩いて注目を促し、変なことを提案しだした。 このお酒、と指を差しているのは、まだ口をつけていないティフィンミルク。
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