side N

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吹き抜けになっている広いロビーのソファー。 展示をひと通り見て、関係者への挨拶回りもひと段落つき、この後どうするかと話をしているところだった。 「南条さん、こんにちは」 背後からふいにかけられた声に振り返ると、仁科サラが立っていた。 「……あぁ、どうも」 彼女も取材に来ていたのだろう。 俺は仁科さんと羽島課長の間に立ち、それぞれに簡単な紹介をした。 「……」 しかし、特に話を続けるわけではないのに、ニコニコとこの場から立ち去らない彼女。 俺は、「課長、ちょっと外します」と断り、少し離れたところにあるソファーへと場を移した。
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