2821人が本棚に入れています
本棚に追加
吹き抜けになっている広いロビーのソファー。
展示をひと通り見て、関係者への挨拶回りもひと段落つき、この後どうするかと話をしているところだった。
「南条さん、こんにちは」
背後からふいにかけられた声に振り返ると、仁科サラが立っていた。
「……あぁ、どうも」
彼女も取材に来ていたのだろう。
俺は仁科さんと羽島課長の間に立ち、それぞれに簡単な紹介をした。
「……」
しかし、特に話を続けるわけではないのに、ニコニコとこの場から立ち去らない彼女。
俺は、「課長、ちょっと外します」と断り、少し離れたところにあるソファーへと場を移した。
最初のコメントを投稿しよう!