第1章 当たらぬ馬券

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勝馬投票券を購入したくても、1時間以上の待ち行列。 中には投票締切で、買えない者も出る始末。 罵声と怒号が飛びかっていた。 レースがスタートすればしたで、あまりの人混みで、モニターさえろくに見ることが出来ない。 大声援ともヤジともとれる怒号の嵐。 普通の女の子が、うんざりするのも無理はなかった。 僕でさえ、この日の状況には辟易していた。 せめて、後楽園の禁煙フロアーにでも行っていれば・・・・ あそこなら女性客も沢山いるだろうし、こんな悲惨な状態にはなっていなかっただろう。 しかし、この時の僕は、競馬予想で頭がいっぱいで、彼女に気を遣う余裕などまったく無かった。 悔やんでみても、後の祭りである。
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