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「お待たせしました!」
「大丈夫。行こう?」
私達は校門に向かったが、ここで私はある問題に気がついた。
「ねぇ、宮田くん。私はここで左に向かって○○駅から□□駅に行くけど宮田くんは?」
「僕も同じ」
どうやら向かう道のことは気にしなくていいらしい。
---電車が発車いたします---
プシュ----
ガタンコトンゴトンゴトン
比較的○○駅はすいているが△△駅からはかなり混む。
まぁ、すいていると言っても座れるほどではないが。
「そういえば△△駅から混むけど宮田くん、車酔いとか大丈夫?」
「全然大丈夫」
「そっか…よかった」
話すことがない。
同じクラス委員とはいえ接点は皆無なのだ。
---えー次は△△駅ー△△駅---
ガヤガヤ
やっぱりこの駅はすごく混む。
押しつぶされていると…
グイッ
「…こっち」
宮田くんが私を引っ張りドアの前へ連れていってくれた。
すると、宮田くんは私の頭付近に両手をつき、いわゆる”壁ドン”状態で私を人混みから守ってくれた。
「あの…ありがとう。大丈夫?」
「全然大丈夫。きにしないで」
私は宮田くんとのこの距離感にさっき消えたはずの胸の高鳴りが戻ってきた。
どこに視線を向けたらいいか分からず取り敢えず俯き□□駅に早く着くことを祈った。
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