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「倉田はさ、友達作んないじゃなくて、作れないからって逃げてるから作れないだけなんだよ。」
「うるさいな!
お前に何が分かるんだよ!?」
梅村の言葉に思わず声が荒ぶる。
「分かるさ。
俺だって昔はお前みたいにネガティブで友達なんか一人も居ないぼっちだったんだ。」
「…え?
いやいやいやいや!
どこがだよ!?
今だってあんなに友達に囲まれてる。
考えだってポジティブじゃないか!」
「今は、な。」
「…。」
信じられない。
梅村が僕と同じ?
そんな筈無い。
「信じられないって顔してるな。
まぁ、無理に信じてくれなくて良いさ!
俺はこうして今変わったし、沢山の友達も出来た。
まぁ、その経緯とか話していったら長くなるし暗い話題になっちゃうから省くけどさ、倉田だって変われると思うぜ。」
「簡単に言うなよな。」
「勿論簡単じゃない。
でもオフ会はその為のキッカケになると思う。」
「…。」
「な、一緒に行こう!
ライブハウスでやる結構大人数の会なんだけど人生観変わると思うぜ!」
「は!?
ライブハウス!?
そんなの行った事無いし大人数って絶対無理だ!」
「無理じゃない!」
「!?」
突然梅村は口調を強める。
「そうやってなんでも無理って言ってたら何も出来ない。
楽しい事したいんだろ?
友達作りたいんだろ?
自分の人生なんだ、自分で良くしないでどうする?」
「そんな事言ってもな。」
「俺はさ、言い訳が聞きたいんじゃない。
自分はこうだから無理だとか出来ないとか。
行きたいか、行きたくないかを聞いてるんだ。」
「…。」
「俺はお前を信じるからさ。」
「…。
分かったよ。
行くよ。」
もうどうにでもなれ、半分ヤケになっていた。
でもどこかで期待している自分もいた。
「マジかー!
やったー!!」
そんな僕の返事を聞いて、梅村は大袈裟に喜んでいる。
「じゃあさ、連絡先交換しようぜ!
後で詳細メールするからさ!」
「お、おう。」
大学で初めて他の人と連絡先の交換をした。
少し照れくさいのもあるけど悪い気はしない。
「いやー!
楽しみだ!
じゃ!また後でな!」
学校に着き、梅村はとても嬉しそうに自分の席に向かった。
やれやれ。
でもこの出逢いが。
オフ会と言う経験が、僕自信を大きく変えていく。
そんな事この時は全く考えても見なかったんだ。
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