第一話「初めてのオフ会」

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自宅の自分の部屋にて。 あの後、梅村から待ち合わせの場所や時間等を細かく伝えられ、今は一度家に帰って支度をしている最中だ。 「やれやれ…。」 今日はいつもと違って騒がしい1日だった。 元々クラスメートだったが、全く話さなかった梅村が、突然話しかけてきたと思えばオフ会に一緒に行こう。 自分の中で、衝撃的な事が連続で起きた。 「あら、あんた出掛けるの?」 母さんがドアから顔を出す。 「あぁ、ちょっとクラスメートに誘われてさ。」 「へー! あんたが誘われるなんて珍しいわね。」 皮肉混じりに、笑いながら、母さんは言う。 「うるさいなー。 別に良いだろ?」 「良いけどね。 あんた高校出てからあんまし遊びにも出ないし、ちょっと心配してたのよ。」 「それは…。」 「まぁ、楽しんで来なさいな。」 それだけ言うと、母さんは姿を消す。 確かに、僕は大学に入って大きく変わった。 高校では友達だって出来たし、遊びに行く事だってあった。 でも、ある日を境にそれが嫌になって逃げたんだ。 だからか、こうして今、人に誘われると言う経験はあまりに新鮮で、どこかで期待している自分もいる。 「とは言え…。 大丈夫かなー。」 結構勢いで承諾したところもあり、まだまだ不安は募る。 本当に僕はオフ会と言う環境で上手くやれるのか。 知らない人ばかりの会で、ちゃんと馴染めるのか。 不安から足取りは自然と重くなるが、仕方なくとぼとぼと家を出た。
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