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「さ、会場に到着だ。」
駅から少し歩いて、僕たちはライブハウスの入り口の前に着く。
ライブハウス事態も初めてでどうすれば良いのか分からないけど、とりあえず覚悟を決めて、入り口のドアを開く。
「こんばんは!
参加者の方ですね!」
ドアを開けると受付をしている人が話しかけてくる。」
「え、えっと。」
「はい!
そうですよ!」
僕を遮り、梅村が代わりに返事をする。
「じゃあ、こちらからお入りください!」
「は、はい。」
思わずかしこまる。
とりあえず言われた通りに中へと進む。
「わ……。」
中に入って思わず声が出る。
広いスペース、眩しいステージ。
沢山の人。
早速どうして良いのか分からなくなる。
「…………ん?」
ふと、隣の梅村に目を向ける。
梅村は1人の女性と仲良さそうに話していた。
「なんだよ梅村、彼女か?」
「え、いやいや!
さっき入り口で知り合った人よ!」
「……は!?」
あり得ない。
あんなに楽しそうに話してたのにさっき知り合ったばかり?
それであんなに仲良く、楽しそうに?
絶対嘘だ。
「あ、信じてない顔してる!
本当だって!
ね、絵里さん」
「あ、はい。
はじめまして、絵里です。」
紹介されて女性は名乗る。
整った顔立ちに、スラッと長い髪。
ピンクのカーデガンに花柄のスカートと。
美人の部類に入るだろう。
「……あ、えっと、はじめまして。」
唐突に話しかけられ、頭の中が真っ白になる。
「あ、なんかごめんなさい。
あなたの名前は?」
そんな僕に気を使ってか彼女は頭を下げる。
「い、いやいやそんな。
お、俺倉田佑介。」
「ゆうくんは俺のクラスメートなんだ!
今日初めてのオフ会で緊張してるしちょっと素っ気ないかもしれないけど許してあげてね!」
「あ、はい。」
「……。」
言い返したいところだが、実際その通りだから何も言えない。
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