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~秘密恋愛~
1 これって一目惚れ・・・?
窓から日が照りつける気持ち良い朝。2年生の廊下で本を読むには最高の日なんだな、これが。
ふぁっとあくびをすると、由妃は制服のほこりを振り払って、むぐっと背伸びをした。すると廊下の奥のほうかな? 目立たなく、日陰の肌寒いところに、佳奈ちゃんと魁くんがいた。由妃がそっちへ行ってみる。さすがに薄い制服だとちょっと寒いって感じ。まあ、まだ8時くらい。佳奈の隣にぽん、と立った。正面にガタガタと震える謎の少年がなんかじゃがんでいるんだけど・・・。
「あ、由妃ーっ! あのさ、見てよ・・・これ!」
「え、なになに?」
佳奈はもぞもぞと制服のポケットに手を伸ばし、なにかを取り出した。そしてそれをぐっと由妃に差し出した。
「え、スマホ? だ、誰の────」
「こいつの」
「こいつがぁ、ツイッターにぃ、私のっ・・・」
「私の?」
「お、おっぱいを載せやがっ、たっ、たんだっ!」
魁はキラーンと目を光らせてにらむように少年を見つめている。佳奈はもう顔は真っ赤だし・・・
「だからこいつをボッコにしてやるんだっ! むっ」
由妃はじっと少年を眺めた。
ズッキューン!
由妃はこの美少年の事を好きになってしまったの・・・この綺麗な目、真っ黒いストレートヘアの髪の毛。爽やかなスタイルに鍛えられた腹筋・・・ついでに「アレ」も大きく・・・スンバラシィ! 由妃は暴走を止められなかった。
「ね、ねえっ。佳奈」
「むむぅううっ! な、なにっ」
「この人って何年生?」
「3年生」
「マジ。3年かぁっ」
チラッと横目で美少年をずっと眺めた。由妃とは目もあわせようとしない。その時、美少年が一気に立ち上がった。そして佳奈と魁を押し倒して由妃の手を掴んだ。
「ひゃっ!」
そうして引きずるようにし、ずりずりと男子トイレに入れてバン!と個室の扉を閉めた。由妃を無理やり便座に座らせ、壁ドンのような感じで個室に押し込む。ちょ、ちょっとはずい。
「っ、なんなの・・・」
「おいお前、なにじろじろ見てた」
「っえ?」
「“アレ”までガン見しやがってっ」
さっきとぜんぜん態度がちがっ・・・
「そういう奴だと、余計に可愛く見えちまうじゃねえか、馬鹿が」
え? なにそれ、怒ってる? 由妃はびくっとする。夢か現実かわかんないんですけど!
2へ続く!
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