序・仇討ち

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竹矢来のすぐ脇にそびえ立つ桜の樹の枝から、一羽の鶯が飛び立ち、軽い羽音を立てて二人の頭上を過ぎ去った。 その影が楽歩の剣を行き過ぎ、白刃の輝きに一瞬、影が差す。 この切っ先が動くとき、楽歩か海斗、このどちらかが命を落とす。 しかし、その時が訪れる前に、この二人の侍が如何なる経緯で出会い、そして斬り結ぶ運命へと至ったか、それを語るとしよう---
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