華麗なる日常の幕開け

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私は幼い頃から、人とはちょっと変わった子だった。 幼稚園を卒業するまでは、ズボンを全く履かない子供だった。 ジーパンや短パンなんで男の子の履くものだからと毛嫌いして、いつも身につけるのは甘いレースやリボン、カラフルで女の子らしいスカートやブラウスなんかだった。 休み時間になれば友達と泥遊びに明け暮れて、服を汚し放題で走り回る周りの女の子なんて私には全く理解できなかったから、私はいつも部屋の中でドレスを着たお姫様や、剣を携えた王子様の出てくる本を読んで過ごすのが日課だった。 小学校に上がってからも中学校に通うようになってからもそれは変わらなかった。小学校の高学年になる頃には私の趣味は幼稚すぎると言われるようになった。 それでも無視していると今度は変わった子だと思われるようになって次第に友達もいなくなったけれど でも、私はそれでも全然平気だった。だって、頭の中にはいつもたくさんのキラキラしたお洋服や夢見る世界が開けていたから。 ぼっちで中学を過ごしていたある日、私の身に天気が訪れた。それは学校帰りに書店で偶然見つけた雑誌。そこには、今まで私が夢見ていたものが載っていた。スカートを傘みたいにまん丸に膨らませたお姫様。ピンクや水色、カラフルな私の夢見るお洋服がそこにあった。
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