華麗なる日常の幕開け

9/16
前へ
/47ページ
次へ
だから、私はここへ来た。 この私立白鳥学園高等学校では、特待生に限り、すべての服装の縛りが解かれる。 元々はICクラスの多様な文化や人種に対応するために取り決められたものだったけれども、それを日本人主体の特待生でも実施してくれたのはありがたい。 人目を気にしないという海外の方々なら、私の服装もちょっとは理解されるのではないかという淡い期待と まるでおとぎ話を具現化したみたいな王子様たちと少しでもお近づきになりたい。というちょっとした下心もあって、私はこの学園への入学切符を手にしたのだった。 まあでもこの様子だと、理解されるというにはまだ長い道のりになりそう。 隣に座っている冴えない男子生徒は、最初私を凝視したまましばらく固まっていたけど、私にしてみれば量産型ロボットみたいに揃って同じような服装をした彼らの方がよっぽど気持ちが悪いとおもう。 私はせっかく努力して勝ち取った服装の自由という特権を余すところなく行使するつもり! じゃなきゃ、私の死に物狂いの受験勉強が水の泡だ・・。
/47ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加