子猫が嫌がる

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こんな感覚、・・・知りたくなかった。 雰囲気に飲まれ、東雲になりゆきで抱かれてしまったシオンは深く項垂れた。 「こんなことしても、何の意味もない。」 「子供が作れないから? セックスは楽しむものだよ?体も心も繋いでね。 生殖以外の目的で、性交を愉しむのは人とイルカだけだとか」 「・・・・だったら、女の人を相手にすればいい」 「手に入れたい存在が女ではなく、君だった。それじゃあ、ご不満かい?」 う~っと唸るような声を出して、頭を抱え込んでしまったシオンと裏腹に、 東雲は上機嫌とも言える顔で、クスクスと笑った。 「それに、また君にシャツを汚されてしまった」批判するような言葉と違って、楽しげな口調だ。 シオンが羽織っているのは、東雲に借りたシャツだ。 それに白いシミが点々と跳ねて、滲んでいる。 自身が放った精液だと気付いたシオンは過剰反応して赤くなった。 「・・・捨てて下さい。後で弁償しますから」 「俺は記念に残しておきたいな?」 バスローブ姿の東雲が薄く笑うと、止めてください、と小さなかすれ声が返ってきた。 「それより、自分の身体の心配をしなよ?」 シャツの裾で、シオンの性器を直接拭ってシミを更に広げ、 グイっと指を絡ませると、悲鳴が上がった。 「やめっ、あぁ・・・」 東雲に直接、モノを口に含まれる。 ぬるりとした生暖かい感触に耐えきれずに、声が漏れた。 舌でこすられて、ピチャピチャという湿った音が響くなか、 口の中で達してしまい、体から力が抜けた。 東雲が白濁を綺麗に拭い終えると、羞恥心でシオンは顔を真っ赤に染めた。 グシャグシャに汚れてしまったシャツを両手で押え、こっちを涙目で睨んでいる。   「どうして、こんなことするんですか」 無意識に、東雲の胸を拳でドンっと勢い良く叩いていた。 「可愛い子ほど、泣かせたい言うことだ」「・・・悪趣味ですよ」 喋るのも億劫だと言わんばかりの、低いうめき声が返ってきた。
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