子猫が嫌がる

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「焦らされるのは嫌かい?」耳元で囁くと、シオンの首が縦に振られた。「同感だね」指を引き抜き、そしてすぐに何事もなかったかのように、いきなり東雲自身を突き挿れた。 シオンは呻き声を洩らすと、二度三度と、首を激しく振ったが、 東雲はかまわず、一度奥まで挿れたモノを中ほどまで抜いて、また突き上げた。 「う ぐ・・」 苦しそうな顔も、奥を穿くたびに、甘く蕩けるような顔になる。 抗議するように、小さく開いた口を乱暴に唇で塞ぎ、舌を絡ませた。 このまま続けたらどうかしてしまう。敏感になった肌を掻き毟るかのように爪を立てた。 下唇を噛んで、シオンは身体にこもった熱を追い出そうとした。だが動きが激しさを増した瞬間、全身に快感が駆けめぐり、同時に最奥から外に溢れて出てくる熱を感じた。 「ぁ・・・」シオンは呆然としたまま、東雲の横顔を見つめ言葉を失った。 恍惚とした表情を浮かべる東雲の頬は紅潮し、 その視線はあたかもシオンを淫靡に挑発している様だった。 「折角手に入れた、獲物だ。じっくり味わってもいいだろう?」 気怠く、燻ぶるような熱を感じながら、東雲はシオンの肩に顔を埋めた。 身体を繋いだまま、美酒を味わい尽くすように、情事の余韻に浸る。 達したばかりで力が入らず、シオンはぐったりと抱きしめられていた。 ただ、自分の奥にある熱と、荒い息遣いを感じながら、東雲を見ることしかできない。 「責任、とって下さい」ぼんやりと霞む意識のなか、掠れた声で呟いた。 「それが君の願いなら、叶えるさ。」 密着するようにシオンの肩に頭を埋めながら、東雲は耳元で甘く囁いた。
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