1人が本棚に入れています
本棚に追加
就職活動で全く成果が出ないまま、師走を迎えた。
鮎香「就職決まらないとまずいんだよー!
頼むよ神様、仏様!!」
私は、神社で願っていた。
その日の晩、寝ている所に、誰かがやって来た。
「迷える子羊…私を呼ぶのは、小娘、そなたか?」
私が目を覚ますとそこには、魔女が立っていた。
鮎香「ほ、本物…?」
私はビックリして、言葉が出ない。
魔女「左様。そなたの強い想いに呼ばれ、ここに君臨した。
さぁ、望みを…」
魔女が私に手を差し出した。
鮎香「私の望みは、就職が決まる事です。」
魔女「それだけで良いのか?」
私の願いを聞き、魔女が聞き返す。
鮎香「だって、家計が大変なのに、大学まで出してもらってんのに…」
魔女「そなたは、もっと自分を労る事を覚えなければならないようだな。
そなたは、自分の事を後回しにし、家の事をしておる。兄弟の面倒も見ておる。
母親は、そなたに感謝しておる。
そなたの願いを叶えてしんぜよう。
それから、これは、頑張りすぎるそなたに私からのささやかなプレゼントだ。
きっと良い事が起きる。」
魔女は、そう言うと、私にお菓子と口紅をくれた。
魔女「このお菓子は、『幸運カラメッラ』、ラッキーな事が起こるキャンディーだ。
それから、その口紅はそなたに合う色だ。
それを着けると世界は変わる。」
魔女はそう言うと、闇夜に消えた。
最初のコメントを投稿しよう!