幸運カラメッラ

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就職活動で全く成果が出ないまま、師走を迎えた。 鮎香「就職決まらないとまずいんだよー! 頼むよ神様、仏様!!」 私は、神社で願っていた。 その日の晩、寝ている所に、誰かがやって来た。 「迷える子羊…私を呼ぶのは、小娘、そなたか?」 私が目を覚ますとそこには、魔女が立っていた。 鮎香「ほ、本物…?」 私はビックリして、言葉が出ない。 魔女「左様。そなたの強い想いに呼ばれ、ここに君臨した。 さぁ、望みを…」 魔女が私に手を差し出した。 鮎香「私の望みは、就職が決まる事です。」 魔女「それだけで良いのか?」 私の願いを聞き、魔女が聞き返す。 鮎香「だって、家計が大変なのに、大学まで出してもらってんのに…」 魔女「そなたは、もっと自分を労る事を覚えなければならないようだな。 そなたは、自分の事を後回しにし、家の事をしておる。兄弟の面倒も見ておる。 母親は、そなたに感謝しておる。 そなたの願いを叶えてしんぜよう。 それから、これは、頑張りすぎるそなたに私からのささやかなプレゼントだ。 きっと良い事が起きる。」 魔女は、そう言うと、私にお菓子と口紅をくれた。 魔女「このお菓子は、『幸運カラメッラ』、ラッキーな事が起こるキャンディーだ。 それから、その口紅はそなたに合う色だ。 それを着けると世界は変わる。」 魔女はそう言うと、闇夜に消えた。
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