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鮎香「幸運カラメッラか…
…………………………
美味しい。ふわっと香る優しいミルクの味…」
私は、お菓子を食べて泣いた。
小さい頃、お父さんとよく食べた飴の味に似ていたのだ。
年末になり、私は郵便局の年賀状の配達のバイトに行った。
そこで、願いが叶った。
バイトしている集配営業課の上席課長代理が、スカウトしてくれた。
上席「桐生さんさえ良ければ、長期バイトとして入ってもらえないかな?
準社員扱いって事で、
上にも話を通してあるんだ。」
私がバイトしている班の班長も頷いた。
班長「桐生さんがいれば助かるよ!。
仕分けがカンペキで、桐生さんが仕分けた所は誤配ゼロだからね♪
6年もバイトしてくれているから、みんなよく知ってるからね。」
班長がそう言うと、同じ班の職員さん全員が笑顔で頷いてくれた。
別の班の職員さんも、頷いていた。
鮎香「有難うございます!
…バイトしていて良かったぁ!!」
私は、就職活動が終わって、ホッした。
幸運カラメッラのおかげで、志望していた郵便事業株式会社で働けるようになり嬉しかった。
口紅も使ってみて、魔女にさらに感謝した。
口紅の色は、ほんのり青みがかったピンク色で、私に合っていた。
母「あら、良い色の口紅ね。
鮎香も、これから社会人になるんだから、お洒落も恋も仕事も頑張んなさい。
あんたには、一番苦労をかけたからね。」
お母さんは、そう言うと、奥の部屋から長い箱を持って来た。
母「あんたが、卒業式の袴も奨学金から出そうとするの知っていたから、私が買ったわよ。
花音と将仁もお年玉から少し出したのよ。」
花音「実はね、宝くじが当たったんだってさ。
だから、お姉ちゃんにプレゼントしようって話になって、
この青色の袴を買ったの!
その口紅もバッチリ生えるよ!」
私は泣きそうになった。
まさか、袴を買ってもらえるとは思わなかったから。
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