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鬼退治も終わり、桃太郎はおじいさんとおばあさんの元に帰ってきました。
でもすでに弱っていたおじいさんとおばあさんは、桃太郎の帰りを待たずに
息絶えていました。
桃太郎は言いました。
「おじいさん、おばあさん・・・・どうして・・・・・・」
「どうして、教えて・・・・くれなかったんだ・・・・。
人の・・・・・・・
人の血が
人の肉が
あんなにうまいなんて・・・・。
わかっていれば・・・・・・
あんたたちを 生きているうちに
食えたのになぁ!」
桃太郎はおじさんとおばあさんを一心不乱に食べました。
すると空から強烈な光が差し込み、桃太郎はまぶしくて目があけられません。
「桃太郎、そなたは罪深き鬼。罰を受けなければなりません。」
まぶしい中うっすらと目を開けると、後光が差した菩薩様が目の前に居ます。
「私が、鬼?」
そう言った瞬間、桃太郎の体を衝撃が貫きました。
桃太郎は桃にされてしまったのです。
桃太郎は菩薩の手につままれて、菩薩様の口がだんだんと近づいてきます。
「ああ、私は菩薩様に食べられるのだ。」
菩薩様は桃を食すと種を出し地に打ち捨てました。
その後、その種は芽吹きました。
数年もすると桃がなりました。
とても巨大な桃が。
「こっただ気色悪い桃は食えねえだ。」
そう言うと村人は桃を川に流しました。
どんぶらこ、どんぶらこ。
早く俺を拾えよ。
今度こそ、うまい人間の血と肉を
たくさん食ってやるから。
どんぶらこ どんぶらこ
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