毎日が記念日

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人にもよるかとはおもいますが、ラブラブな二人なのに『記念日』への思い入れに温度差があったらおもしろいんじゃないかなと♪ というわけで↓ 「…………」  聡(さとる)が仕事から帰るとテーブルいっぱいに聡の好物ばかりがところ狭しと並べられていた。  同じ勤務先なのにひとりさっさと帰ったのはこれを準備するためだったらしい。 「聡、おかえり」 「ただいま……えっと、今日は光哉(みつや)の誕生日……じゃあなかったよな」 「えっ!? 聡もしかして覚えてないの?」  聡の目の前で光哉がショックを受けたように目を見開いている。 「あ、ええっと、付き合って一年目……えっ!? それは明後日? ……ごめん、なんだったっけ?」  さっぱり心当たりのない聡が弱りきったように苦笑すると、ショックに見開かれていた光哉の目が涙で潤んだ。 「酷い……覚えてないだなんて」 「あの、光哉?」 「一年前の今日、エレベーターに乗ろうとした俺と降りようとした聡がぶつかったんじゃないか! 俺はその時、聡に一目惚れして――」  光哉がポッと頬を染める。  だがそれはほんの一瞬で、光哉は涙で潤んだ目で聡のことを睨み付けた。 「みっ、光哉、悪かった。日にちは忘れていたが、君と初めて出会った日のことは昨日のことのように覚えているよ」 「聡」 「――もしかして他にも二人の記念日があるのか? あるなら教えて欲しい。えっと、ほら俺って忘れっぽいところがあるから」 「……来週」 「来週?」  そう言ったきり、今度は光哉は照れくさそうにうつ向いてしまった。 「光哉?」  聡が促すように名前を呼ぶと、光哉が上目使いでチラリと聡のことを見ながら口を開く。 「来週……二十日は聡と俺が初めて結ばれた日」 「あ、ああ、そうか。それじゃあ二十日もお祝いしないとな。光哉、なにか欲しいものある?」  光哉の機嫌を伺うように聡が尋ねる。だが光哉は欲しいものがないのか、ふるふると首を横に振るだけだ。  またもや機嫌を損ねたのかと、聡が途方にくれていると光哉が聡の指先をきゅっと握ってきた。 「光哉……! そうだね、二十日の君へのプレゼントは俺だ。君がもういいって言うまで俺をあげるよ」 「聡、嬉しいっ!」  感極まったように光哉が聡の体に抱きついた。  そうしてそのまま、一足早く光哉は聡からのプレゼントを存分に受け取った。 リア充なバカップルのお話
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