第1章 禁断の恋の始まり

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「まさか同じ学校になるとはなあ。ちょっと俺も混乱してて、今は何も千帆に言えない、ごめん」 「…うん」 「でも、千帆と別れたいとか別れようなんて思ってないから」 けいちゃんの鼻先があたしの鼻先にぶつかる。あたしのカップと同じシルエット。 でも、あたしとけいちゃんの鼻はミッキーとミニーほど高くない。すぐに、触れ合う角度が変わって、お互いの唇が重なりあう。 いつもは恥ずかしくて、あたしの舌に絡みつくけいちゃんの舌に、あたしは遠慮がちに応えるだけなんだけど、今日は、今だけは。 恥ずかしさより、けいちゃんが好き、って気持ちの方が強くなった。けいちゃんの首に腕を巻きつけて、舌を絡め合って吸い合う。 「好きだよ、千帆」 キスの合間のけいちゃんの囁き。あたしを舞い上がらせるはずのその言葉が、却ってあたしを悲しくさせた。 あたしも好き。でも…。 結論を出さないまま、その日はバイバイした。 けいちゃんが送ってくれる、って言うのを拒絶して、あたしは線路沿いの道を泣きながら帰った。 始業式の日まで、けいちゃんからは何も連絡がなくて、あたしからもしなかった。忙しいのかもしれないし、あたしとの距離を置きたいのかもしれない。 どっちでも、どうでも、良かった。 あたしが次に、けいちゃんに会ったのは、始業式の日、あたしのクラスの担任として、壇上で挨拶する時だった。
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