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「え」
「具合悪いなら遠出やめておく?」
「だ、大丈夫ですよ」
でもほら。運転席から身を乗り出して、けいちゃんはあたしの顔を覗き込む。
綺麗な目も、心配そうに下がった眉も、好き。って強く思った。ドキドキドキドキ、あたしの心臓破れそう。
「熱とか、ないよね」
けいちゃんは、無造作にあたしのおでこに手を置く。
「ちょっ…」
こんなことされたら、熱なくったって体温上昇するよ。瞬時に真っ赤になったのが、けいちゃんにもわかったらしい。
「千帆…」
真顔になったけいちゃんは、何故かあたしの名前を呼び捨てで呼ぶ。あれ? あたしが違和感を覚えてる間に、その唇はどんどんあたしに近づいてくる。
ちゅっ、と唇に触れられて、あたしは更に真っ赤になって、更に体温が上昇した。というか、頭の中もショート寸前。
「け、け、けいちゃん…っ」
「あ、ごめん、可愛かったからつい…」
けいちゃんは大して悪びれてなさそうに、にこっと笑う。つ、つ、つい?
あたし、あたしのファーストキスぅ。
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