風船うさぎ姫

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だからそれは意味ないって。睨んでいるつもりのその黒目がちな瞳は、留まることなく溢れ出す雫のせいでゆらゆらと動く。その光景は、俺の脳裏に貼り付けられて……慰めるというよりも別の思考回路が働き始める。 「どんな明星でも好きだよ」 耳元で囁くように伝えると、明星の体が小さく震えた。 「甘えたがりで寂しがりで、少しだけ我が侭な明星が好きだよ」 「……本当……?」 「うん、子供っぽくてもね。そんなとこも全部含めて明星でしょ」 抱きしめる腕に力を入れて伝えると、 「嬉しい……あの、空くん……」 「ん?」 「………大……好き……」 これはヤバイな。可愛すぎる。
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