風船うさぎ姫

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「ベット行こうか」 さっきのキスで腰砕けになってるらしく、動けない明星を抱き上げる。 「なになになに!?」 「お姫様抱っこ」 「自分で歩けるもん」 「むーり。立てないんでしょ?」 額にキスを落としてみると、もぞもぞと動いていたうさぎさんが、ピシッとおとなしくなった。 「あぅ…… 立てるから降ろして……」 「無理しなくていいから。歩けない明星と我慢できない俺。丁度いいでしょ」 「……何か変。空くんの言ってる事」 どこが? 腰砕け状態でよたよたと歩くのを待てるほど、俺は我慢強くはないんだよ。その時間すらおしい。もっと明星を乱したい、早く繋がりたい。 女の子を『食いたい』と言うような男を見て、なんて浅ましい考えだろうと思っていたけど、今はその気持ちが少しだけ分かるかもしれない。だって、この気持ちは好きや愛しいなんて言葉じゃ、とてもとても言い表せない。どんなに力を込めてみても、抱きしめるだけじゃ足りないし。 この衝動は、 ────食いたい──── それが当てはまる感情かもしれない…… 明星、明星、明星……大好きだよ。
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