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体育館に着いて、ちょうど漫才が始まるところで
よく見えるところまで行ったけど
頭の中が大混乱で内容なんて入ってこなかった
ただ漫才が思ったよりウケてることと
鈴木くんは絶対春日派だって思ったことは覚えてる
あとは心ここにあらずだ
たった1日で感情が怒涛すぎた
イツキさんにビビって、濱野くんに大ショックを受けて、クイズ大会で怒りが込み上げて、そして荒川…
学祭って怖い。こんなに事件があるなんて思わなかった。去年なんて帰りに転んだことしか覚えてない。
氷が溶けて分離したタピオカを握りながらそんなこと考えていたら会場が暗くなった
バンド演奏の準備だ
いつの間にか漫才が終わっていたらしい
「あれ淳平くんのクラスのバンドじゃ無ーい?」
またあの鼻につく声が聞こえた。小柄先輩女だ。
「そうですね!カッコいいんすよこれがまた!」
そう言いながら私の近くに2人はやってきた
何か今日はやたら遭遇するけど何なんだろうか、私が意識するからなのか
ゆきより会ってるレベルだ
「原野さんお疲れさま、優勝おめでとう」
濱野くんが話しかけてきた
「あぁっ…ありがと…」
「何か今日元気無くない?大丈夫?」
てめぇが諸悪の根源だ。と悪魔の私がこんにちはしかけたけれど、なんかそんなこともどうでも良くなっていた
「そんなことないよ、楽しんでるよ」
「ならよかったけど。あ、タピオカ屋さん行ったんだ、美味しいよね」
すごく笑顔で話す濱野くんの背後に、すごい不満げな小柄先輩女が立っている
ジェラシーしてるってば、やめてよ、女の敵は女なんだから
ましてや先輩なんだから
「うん美味しかった。ね、美味しかったよね?」
2人で話している。という事実を無くしたくて荒川に話をふる。「あ!?あ、まあ、まぁまぁ。」とやや困惑気味に返してきた
「一緒に行ったの?」
「そう色々してもらったからお礼にね」
そう言うと「そっかそうなんだ」と言ってそこで話は終わった
小柄先輩女はさっきのジェラシーフェイスとはうってかわってニコニコの笑顔に戻っていた
嫌いだわー
そうこうしてるうちに演奏が始まる
あんまり好きじゃない感じだったけど同じクラスだからとりあえず聞いといた
上手いのか下手なのかは全然わかんない
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