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学祭が終わり1ヶ月
変わったことといえば
里美ちゃんが鈴木くんにグイグイいく姿をよく目にして微笑ましいのと
体育が卓球からマット運動になったのと
あ、そうそう
風の噂(という名のゆきリサーチ)によると濱野くんはあの小柄先輩とは付き合っていないらしい
だけど教室にあの先輩が現れるようになって鬱陶しいのと
あとそうだな
「原野これ荒川に渡しといてくれー」
「えぇっ」
先生に茶封筒を渡され動揺した
何故なら、学祭によって変わった最大の出来事
私が荒川をド意識しているのだ
「机に置いといちゃダメなんですかー?」
「大事な書類入ってんだ。頼んだよ。」
だったら自分の手で渡せよなぁ
学祭が終わってからまともに話しても居ない
いやまあ、それが普通でいつも通りなんだけど
悶々と考えていると荒川が教室に入ってきた
「あの……荒川これ先生から」
席に着いたとき、差し出しながらそう言うとチラッとこっちを見て「おう」と受け取った
それだけのやりとりなのになぜ私はこんなに緊張しているんだろうか
なぜなんて、その理由はとっくに分かっているけど
絶対に認めないと決めたんだ
恥をかくに決まっているから。
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