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それからーー
秋音が消えてからもう五年ーー
雪は十九歳、晴太は二十一歳
二人は結婚して、一人の娘を産んだ
だけど、不思議な事に…生まれた時にその手に持つヘアピン二個を握っていた
元気よく明るい家庭を築き上げてーー
そして私が生まれた時の秘話となる。
その話を聞いて十年前
そのヘアピンをすると、お父さんとお母さんは何かを思い返すんだって。
それは秋音って人と瓜二つなんだって
その人の写真をお父さんから見せてもらったけど…双子って思えるほど私と似ていた。
自分の前世なんて分からないけど
なんだか、この二人から生まれてよかったって思えたんだ
だって幸せだし、不満なんてないもん
そしてお父さんとお母さんが言ってた
公園前の木は…もうないんだ
台風で折れたんだって、でもその木は…何かを結びつける神樹だったみたい。
だから、その木の跡地には…看板が立ってる
こんな木があったって説明付きでね。
「本当に私と似てるねーー」
「えーー?」
そんな優しい声が背後から聞こえたけど
後ろを振り向いてみたけど誰もいなかった
ま、いっかさて、今日は何をしようかなーー?
今日も気持ちいい秋晴れです!
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